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特集

投稿日: 2022.08.29 16:00
更新日: 2022.09.01 15:41

“リヤウイングレス”プジョー9X8がまもなく日本初上陸。WEC富士で見たい最先端マシンと日本と縁の深いドライバーたち


PR | “リヤウイングレス”プジョー9X8がまもなく日本初上陸。WEC富士で見たい最先端マシンと日本と縁の深いドライバーたち

 プジョー・トタルエナジーズが走らせる2台のプジョー9X8は前述のとおり、7月に行われた第4戦モンツァ6時間でレースデビューを果たした。

 それぞれの結果は、レース序盤からトラブルに見舞われた93号車がリタイア。姉妹車の94号車もWECの洗礼を浴びるかたちで総合33位フィニッシュとなったが、予選5番手からレースの折り返し過ぎまでトップと同一周回で5番手をキープするなど、力強い走りも披露した。

 最終的に冷却系のトラブルが原因でレース後半に大きく後れを取ることになった94号車は、搭乗する3人のドライバーのうちの2名が日本のレースファンにとって馴染みの深い人物となっている。そのひとりがロイック・デュバルだ。

●ロイック・デュバル:国内でも2冠獲得のル・マンウイナー

ロイック・デュバル
ロイック・デュバル

 デュバルはF3ユーロ・シリーズを2シーズン戦ったのち、2006年に活動の場を日本に移し当時の全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)に参戦。2009年に中嶋悟氏の下でシリーズチャンピオンを獲得した。また、同時期に参戦していたスーパーGTでは、小暮卓史とのペアでウイダーHSV-010をドライブした2010年にGT500チャンピオンとなっている。

 2014年まで日本での活動を続けた彼のル・マンデビューは2008年で、この年に初参加ながら総合8位完走を果たす。2010年からはプジョー車で母国フランスの耐久クラシックレースに出場。アメリカのセブリング12時間レースを制した翌11年は、優勝マシンの『プジョー908 HDi FAP』を駆りル・マンで総合5位となった。

 2012年にアウディ陣営に加わったデュバルは翌年の2013年、ベテランのトム・クリステンセン、アラン・マクニッシュとともにル・マン王者に。WECの2シーズン目が行われた同年にワールドチャンピオンに輝いた。この功績が讃えられ、2019年には当時のチームメイトとともにFIA殿堂入りを果たしている。

●ジェームス・ロシター:マシン開発能力の高さが光り、国内外で活躍

ジェームス・ロシター
ジェームス・ロシター

 そんなデュバルのチームメイトとして94号車をシェアする、日本にゆかりのあるもうひとりのドライバーはジェームス・ロシターだ。BARホンダF1の開発、およびテストドライバーを務めていた彼は2013年に来日。名門チームのTOM’Sから国内トップカテゴリーのひとつであるスーパーフォーミュラに参戦した。

 また、同じ年に同チームからスーパーGT GT500クラスにも挑戦すると、中嶋一貴(現TGR-E副会長)とのコンビで2年続けてシーズン3位の成績を収め、その後2019年までGT500ドライバーとして活躍した。日本での活動期に、主にロータス/バイコレスからWECにも参戦していたロシターはこれまでに2度ル・マン24時間に出場しているが、トップカテゴリーでの出場経験はなく、ベストリザルトはLMGTEプロクラス7位/総合22位となっている。

 2019年、ロシターはフォーミュラEに参加するDSテチーターのリザーブ兼開発ドライバーに就任した。プジョー・トタルエナジーズにおいても当初は同様のポジションに就いていたが、レギュラードライバーとして起用がアナウンスされていたケビン・マグヌッセンがF1にカムバックしたことから、彼に代わって94号車のレースドライバーを務めることとなった。

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