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スーパーGT ニュース

投稿日: 2023.10.19 05:35
更新日: 2023.10.19 05:37

TGR TEAM SARD 2023スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート

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スーパーGT | TGR TEAM SARD 2023スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート

2023 スーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 450km RACE』(10/14-15)
オートポリス(1周4.674km)
入場者数:予選6500名、決勝1万3500名、合計2万名

 10月15日(日)、今シーズンの大一番勝負となる天王山、第7戦『AUTOPOLIS GT 450km RACE』の決勝が行われ、3番グリッドから粉骨砕身に攻めていった関口は、オープニング1コーナーで前を抜いて2位浮上。トップを追いかけていったがラップダウン車両を処理する過程でタイヤにカスがつくピックアップ現象により思わぬペースダウン。

 最初のFCY明けの15周を終え、早めのピットインでタイヤを交換し給油。その後、ポイント圏内で好バトルをしながら巻き返していったがFCY2回目、3回目導入でタイヤが冷え、再びピックアップ現象が発生。また、この頃クルマから異音が起き、54周を終え中山と交代したものの異音がますます大きくなり、69周目のストレートで駆動系トラブルによりストップしてしまい万事休す。

 リザルトは走行周回数から完走扱いの14位となった。ドライバーポイントは獲得できず(計34点)、チームポイントは1点を獲得(計51点)、何れもランキング7位となった。ドライバーポイントリーダー(36号車)とは35点差となってしまい、力闘をみせるも残念ながらタイトル挑戦権を失う非常に悔しい結果となった。3週間後の最終戦もてぎでは、シーズンを良いかたちで締め括るべく、チーム一丸となって最後まで勝利を目指して戦い抜く。

■事前情報

 前戦第6戦SUGOでは、今季タイトル争いへと躍進する3位を獲得したDENSO KOBELCO SARD GR Supra。いよいよ2023年シーズンも大詰めとなり、千秋楽のひとつ前の『前楽』となる第7戦は、九州ラウンドとなる『AUTOPOLIS GT 450km RACE』。

 10月14日(土)午前に公式練習、午後にノックアウト方式(Q1、Q2)の公式予選で、16日(日)決勝は13時30分スタート。レース距離はオートポリス初の450km(97周:約2時間半超)で争われ、給油を伴うピットストップは2回が義務付け。ひとりのドライバーの最大運転周回数は64周まで。サクセスウエイトは現獲得ポイント数値とイコールとなる34kg。この条件でのオートポリスでのタイムの落ち込みは、約0.6秒と見込まれる。

 オートポリスは雄大な阿蘇外輪山の北方に位置し、標高900m、高低差52mでアップダウンの大きいマウンテンコース。そのコース幅は狭く、前半ダイナミック、後半テクニカルなチャレンジングなレイアウト。オーバーテイクポイントは意外と限られており、特にセクター3では遅い車両に詰まるとタイムロスを喫しやすく、またタイヤにも厳しいコースである。

 現在ランキングトップとのドライバーポイント差は17点であり、タイトルを狙うにはここでの勝利は必要条件。ノーポイントでは望みが少なくなり、表彰台を逃せば厳しい最終戦での戦いを強いられるため、伸るか反るかの大一番勝負となる正に天王山。チャンピオン争いの行方を左右し、タイトル挑戦権を懸けた最後の関門となるため、緊迫した激しく厳しい戦いが予想される。脇阪寿一監督のもとチーム一丸となって、様々な戦略を駆使して勝利を勝ち取るため最後まで全力を尽くし、粉骨砕身に勝利を狙っていった。

■公式練習走行

 15日(土)9時25分から開始された公式練習走行は、雨上がりの肌寒いコンディションで気温16度/路面温度18度。まず最初の85分間の混走セッションでは、路面状況が改善されたのを見計らって25分経過後にミディアム系ドライタイヤを装着して関口がコースイン。6周目に1分34秒293とその時点で7番手タイムをマーク。若干アンダー傾向
であるということで調整しながら走行。16周目からは中山が同じタイヤでクルマの細かなセットアップを進めていった。

 中山の2回のアウティングを経て混走セッションが終了。トータル23周を走行して、最初に関口が6周目にマークした1分34秒293のタイムで7番手となった。10分間のGT500単独セッションでは、気温18度/路面温度22度と低温のまま。関口はハード側ドライタイヤで予選のアタックシミュレーションを実施しようとしたが、アタック途中の4周目にT10付近のコースアウト車両により赤旗が出され、そのまま終了となり、4台しかタイムが出せず。DENSO KOBELCO SARD GR Supraは混走セッションのタイムのまま、10番手となった。

■公式予選
Q1:関口がチームに勢いつける3番手タイムを叩き出す

 14日(土)15時33分から開始されたQ1は、気温18度/路面温度23度で、たまに晴れ間が見えるが肌寒い曇り空のまま。コースオープンから1分半ほど待ってからピットを離れた関口は、ハード側ドライタイヤを装着。公式練習走行500単独セッションではアタックできずにまだハード側タイヤでフルアタックできてない中での選択。

 関口はタイヤを丁寧に温め、5周目からアタックを始めたセクター1では自車ベストをコンマ3秒ほど削ってくる。続くセクター2で29秒7と1秒近く削り、見事に区間トップタイムを叩き出す。最終セクターでは区間3番手をマークして、トータルタイムは1分32秒001に。公式練習走行からのクルマのセット調整やタイヤの選択。走行データ分析とドライバーの感覚が的確な解を見つけ出した結果、見事に関口がチームに勢いつける3番手タイムを叩き出して、Q2進出を決めた。

Q2:中山が渾身のアタックで予選3位を獲得

 14日(土)16時11分から開始されたQ2は、気温17度/路面温度22度に下がり低温の曇り空。コースオープンしてから1分ほど待って真っ先にコースインした中山は、関口と同じくハード側ドライタイヤを装着。Q1を戦った関口からのクルマやタイヤのインフォメーションをもらい、今週末まだニュータイヤを履いていない状況のまま、関口とチームを信頼してクルマに乗り込んだ中山。早く感触を確かめたい気持ちか速いペースでタイヤのウォームアップ周回を重ねた。

 関口同様にアタックを始めた5周目セクター1では僅差ながら区間5番手と若干遅れたものの、続くセクター2では同等タイムにまとめてくる。長めの最終セクター3では区間3番手と巻き返し、トータルタイムでは1分31秒997でQ1タイムを更新。中山の渾身のアタックの結果、両ドライバーともが3番手タイムを記録し、期待がかかる明日の決勝スタートポジションは、2列目3番グリッドの好ポジションを獲得してみせた。

2023スーパーGT第7戦オートポリス DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2023スーパーGT第7戦オートポリス DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

■決勝
ウォームアップ走行

 15日(日)12時から開始された20分間のウォームアップ走行は気温17度/路面温度24度で天気予報に反して昨日からの肌寒さが残るコンディション。晴れ間は見えるものの曇りがちな空。最初に中山が決勝バランスの確認を7周実施。続いて関口が同じタイヤでチェッカーまで走行。ウォームアップはトータル11周を走行して。中山が6周目にマークした1分38秒850の13番手で終えた。

■決勝レース
第1スティント/第2スティント:関口がオープニング2位浮上もコンディションに悩まされる

 15日(日)、13時30分決勝スタート時点は気温17度/路面温度25度のコンディション。3番グリッドから粉骨砕身に勝利を狙っていったDENSO KOBELCO SARD GR Supraを駆る関口は、オープニングスタート直後の1コーナーで前をいく19号車を一気にオーバーテイクして2位に浮上。後続を引き離しながらトップ16号車を追いかけていった。

 7周目あたりからGT300クラスのラップダウン車両を処理する過程でラインから外れるときにタイヤにタイヤカスが付くなどのピックアップと呼ばれる現象が起き、本来のタイヤ性能を発揮できなくなり、思わぬペースダウンで順位を失ってしまう。

 最初のFCYが解除された15周を終え、早めのピットインでタイヤを交換し給油。その後は、ペースが戻りポイント圏内で好バトルをしながら巻き返していったが、FCY2回目、3回目導入でタイヤが冷え、再びピックアップ現象が起きてしまう。また、このころに関口から無線が入り、クルマから異音がしているとの情報。54周を終え中山と交代すべくピットへ呼び戻した。

第3スティント:中山が駆動系トラブルで万事休す

 2回目のピット作業を終え、中山へステアリングを託したが、その後は異音が大きくなり、貴重なポイント圏内を走行していたことからペースを落として完走を目指しての走行を強いられる苦境に立たされた。だが、68周を終え、69周目に入ったストレートで突然駆動を失うトラブルが発生。1コーナー入口のイン側にクルマを停め万事休す。リザルトは走行周回数がレース距離の70%を超えていたため完走扱いの14位となった。

 ドライバーポイントは獲得できず(計34点)、チームポイントは1点を獲得(計51点)、何れもランキング7位となった。ドライバーポイントリーダー(36号車)とは35点差となってしまい、力闘をみせるも残念ながら最終戦でのタイトル挑戦権を失う非常に悔しい結果となった。3週間後、11月4日(土)〜5日(日)に開催される最終戦もてぎでは、シーズンを良いかたちで締めくくれる様にチーム一丸となって最後まで勝利を目指して戦い抜く。

2023スーパーGT第7戦オートポリス DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2023スーパーGT第7戦オートポリス DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

関口雄飛

「走り出しからクルマのフィーリングは良く、手応えも感じていて良い流れで予選3番手。決勝でも2位に浮上した時点で後続を引き離す展開でしたが、望んでいた天候のコンディションではなくピックアップしてからなかなか取れずにペースも落ちてしまいました。それと自分がドライブしている途中から異音がしていて、最終的に中山選手がドライブしているときに駆動系が壊れて終わってしまって悔しい結果となりました。シリーズ後半戦は調子が上向いていたので最終戦もてぎでは良いかたちでシーズンを終えられるように、また頑張っていきたいと思います。引き続き御声援よろしくお願いします」

2023スーパーGT第7戦オートポリス 関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2023スーパーGT第7戦オートポリス 関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

中山雄一

「予選までの流れは今シーズンのなかでも1番良く、思惑通りに進みました。決勝もスタート直後までは良い雰囲気がありましたが、ピックアップに悩まされペースが極端に落ちてしまいました。最後には駆動パーツの破損により、ストップしてしまい悔しい結果になりましたし、データが取れなかったことも残念でした。シーズン後半戦は戦う毎に強くなってきて成績も上がってきているので最終戦もてぎでは今シーズンの集大成として、良い結果で締めくくれればと思います。最後まで熱い応援をどうぞよろしくお願い申し上げます」

2023スーパーGT第7戦オートポリス 中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2023スーパーGT第7戦オートポリス 中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

監督 脇阪寿一

「予選は両ドライバーとも3番手。決勝はスタートで関口雄飛が2位に上がり、後続を引き離したときはイケると思いましたが、気温が我々の想定より低かったこともあり、我々に足らないものが次々と浮き彫りになり、スピードを示せませんでした。最後は駆動系にトラブルが出てストップ。これで我々はタイトルの権利がなくなりました。残念ですが、今回浮き彫りになった課題を克服し、成長して、最終戦に挑みます。本気で逆転タイトルを狙ってたし、流れを感じてただけに、今回の結果はショックです。必ず這い上がります。引き続き応援よろしくお願いします。36号車の戦いは素晴らしかった。優勝、おめでとうございます」

2023スーパーGT第7戦オートポリス 脇阪寿一監督(TGR TEAM SARD)
2023スーパーGT第7戦オートポリス 脇阪寿一監督(TGR TEAM SARD)


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