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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.11.30 13:10
更新日: 2020.12.02 18:49

LM corsa 2020スーパーGT第8戦富士 決勝レポート

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スーパーGT | LM corsa 2020スーパーGT第8戦富士 決勝レポート

S-GT2020 Rd8 FSW Final
LMcorsa REPORT
#60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3

19番手からスタートしたSYNTIUM LMcorsa RC F GT3、河野選手がスタートから順位を上げ吉本選手がポジションを守って9位でシーズンを締めくくる

気温:9℃、路面温度17℃(スタート時)

 コロナ禍での異例のシーズンとなった2020年のAUTOBACS SUPER GT。8戦のシリーズを締めくくる『たかのこのホテルFUJI GT 300km RACE』の決勝レースが11月29日(日)に富士スピードウェイで開催された。

 開幕戦から苦戦を強いられてきたLMcorsaは全戦で完走しているものの、第4戦と第7戦のツインリンクもてぎラウンドで記録した12位が最上位となっていて、いまだにポイントを獲得できずにいる。LEXUS RCF GT3の開発期間にあたる2015年、2016年シーズンこそノーポイントで終わったが、それ以降は順当に成績を残していて、ここまで上位陣と離されることはなかった。

 しかし、29日(土)に実施された公式練習では、決勝レースを想定したロングランの走行で今までにない感覚を得ることになり、ライバル勢と十分に戦える状況であった。予選ではQ2への進出を0.07秒差で逃したが、前戦までの状況よりはラップタイムの差がなくチームの士気も高まっていた。

 29日の決勝日は8時から併催カテゴリーの決勝レースが行われ、最終戦の長い一日がスタートする。SUPER GTに参戦する90名の選手を紹介するドライバーアピアランスや、富士スピードウェイ戦で恒例となったフライトパフォーマンスを挟んで11時30分から20分間のウォームアップ走行が実施された。まずSYNTIUM LMcorsa RC F GT3に乗り込んだのは河野駿佑選手で6周を走り、続けて吉本大樹選手が4周を走行し決勝レース前の最終確認を行った。

 富士スピードウェイは正午を過ぎても気温が10℃に満たず、この時期らしい気候のもとで最終戦の激しいバトルが繰り広げられることになった。

 ウォームアップ走行が終わるとすぐにスタート進行が始まり、300kmの決勝レースは13時に幕を明けた。第5戦以来のスタートドライバーを務めた河野選手は、オープニングラップで追突などの混乱に巻き込まれるが、ポジションを守って19番手で1周目のコントロールラインを通過する。

 3周目には先行していた2台が絡むクラッシュが発生したために17番手に浮上。5周を過ぎるとレースは落ち着きをみせて、河野選手は1分39秒台の安定したラップタイムで走行する。10周を過ぎるとタイヤの摩耗によって徐々に上位陣のラップタイムが落ち込む。河野選手は11周目に15番手になると、12周目に1台、13周目に1台、17周目に2台をパスして立て続けに順位を上げていく。

 レース距離の1/3を超える19周目になると規定されたドライバー交代のために数台のマシンがピットロードに進む。上位陣がピットインするなかで、安定したラップタイムを刻むSYNTIUM LMcorsa RC F GT3は、ピットタイミングを伸ばす選択を行った。河野選手はタイヤをマネージメントしながら序盤と同様の1分39秒台のラップタイムで走行を続ける。

 多くのマシンがピットインしていくなかで、20周目にはトップ10内に入り、25周目には5番手、30周目には4番手まで順位を上げる。最終的に河野選手は、35周目に3番手でピットに戻る。チームは河野選手のコメントから左側2本のみのタイヤ交換を決断。2本のタイヤ交換ととともに給油を行ない、吉本選手にドライバーチェンジする。SYNTIUM LMcorsa RC F GT3がコースに復帰したときには11番手で、まだ先行する2台のマシンがピット作業を終えていない状況だった。

 吉本選手は右側がユーズド、左側がニュータイヤというコンディションの異なる難しい状況で走行をスタートするが、すぐに1分39秒台のラップタイムで走行する。39周目にはGT300の全車がピットに入ると9番手となり、吉本選手はポイント圏内でのフィニッシュを目指した。終盤を迎えるとややラップタイムが落ち込み始め、10番手のマシンに迫られてしまう。

 最大で約10秒以上あった10番手とのギャップは、55周目に6.1秒、57周目に4.4秒と1周で1秒ほど詰められる。それでも吉本選手はポジションを守るべくギャップをコントロールして、60周目に9位でチェッカーを受けた。苦しいシーズンだったが、チーム一丸となり最終戦で9位に入りポイントを獲得。苦戦が続いたがシーズンだったがミスなく全戦で完走を果たし、チーム力は見せることができた。

2020年スーパーGT第8戦富士 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/河野駿佑)
2020年スーパーGT第8戦富士 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/河野駿佑)

コメント
飯田章監督

「決勝レースは我々が予想しているよりも他車が早くピットに入りました。河野選手のラップタイムは安定していたので、ピットストップを伸ばして戦況をみる戦略を取りました。35周目にピット作業を行ったのですが、状況が良かったのでタイヤ無交換の選択肢も考えましが、データがないこともあり2本交換で後半を戦ったのです。コンディションの異なるタイヤで吉本選手は最後まで頑張ってくれて、ようやくトップ10内に入ることができました。4ヶ月の凝縮したシーズンで苦しみましたが、チーム全員が一生懸命に働いた結果が最終戦のポイント獲得に繋がったと思っています」

吉本大樹選手

「路面コンディションとタイヤが今シーズンで初めてと言っていいほどマッチしました。河野選手のスティントでは最後までラップタイムが落ちなかったのでタイヤ無交換も考えましたが、最終的には2本交換という判断になりました。後半のスティントは徐々にパフォーマンスが下がっていきましたが、それでも9位を守り切れました。最終戦ですが、今シーズンでもっとも内容の濃いレースができました。前戦までの流れだとポイントを獲得できずにシーズンが終わるところでしたが、何とか10位以内に入れて良かったです。チームとしてはミスなくシーズンを戦え、忍耐力も含めて強くなれた一年だったと思います」

河野駿佑選手

「スタートドライバーを務めた前回は1周目にセーフティカーが入ったので、実質初のスタートでした。追突などの混乱はありましたがポジションがキープでき、10周目あたりからは徐々に前のマシンを抜くことができました。ペースが落ちなかったのでピットのタイミングを伸ばして、タイヤ2本交換で吉本選手につなぎました。苦しいスティントのなかでもポジションを守ってもらい9位でチェッカーを受けられて良かったです。ルーキーイヤーはもう少し活躍することを想像していましたが、苦しさや悔しさを味わう一年でした。そんななかでも不自由なく戦わせてもらったチームや関係者には感謝しています」


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