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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.11.29 07:00
更新日: 2021.11.29 15:53

LMcorsa 2021スーパーGT第8戦富士 決勝レポート

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スーパーGT | LMcorsa 2021スーパーGT第8戦富士 決勝レポート

S-GT2021 Rd8 FSW Final
LMcorsa REPORT
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT

河野選手が3番手からスタートすると、2台をオーバーテイクしてトップに立つ。吉本選手も安定した速さを維持し、最終戦で有終の美を飾る

気象データ

気温:13度、路面温度:14度(スタート時)

 AUTOBACS SUPER GT 2021SERIESの締めくくりとなる『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE』の決勝レースが11月28日(日)に富士スピードウェイで開催された。

 今シーズンも新型コロナウイルス感染症の影響によってサーキットへの入場者数を制限する大会が多かったが、10月に全国的に緊急事態宣言が解除されるとイベントの人数制限が徐々に緩和されることとなった。新型コロナウイルスに対する感染対策は継続して行っているが、SUPER GTの最終戦には2日間で5万8500人のファンが富士スピードウェイに駆け付け、シリーズチャンピオンを決める最終決戦を目の前で見届けた。

 レースウイークの富士スピードウェイは雲ひとつない快晴が続き、風は冷たいものの最終戦に相応しい天候となった。LMcorsaは今季からニューマシンのGR Supra GTを使用していて、第2戦の富士スピードウェイでは早くも優勝を果たした。シーズン中盤は決勝レースで順位を落とすこともあったが、ポテンシャルを秘めたニューマシンでシーズン2勝目を狙いレースウイークを迎えた。

 27日の予選は河野駿佑選手が2番手でQ1を突破し、吉本大樹選手が予選Q2で3番手となり、決勝レースは今シーズンベストタイとなる3番手から300kmの決勝レースを戦うこととなった。

 28日は9時過ぎからピットビューイングやドライバーアピアランスなどが実施され、決勝レース前の最終確認となるウォームアップ走行は11時40分から20分間にわたって行われた。まずは河野選手がSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTに乗り込み7周すると吉本選手にドライバーチェンジして計11周を走行した。

 決勝レースは予定どおりの13時にフォーメーションラップがスタートする。スタートドライバーを務めた河野選手は、序盤で加速力に優れるGT3勢を抑えられるかがカギと言っていたが、要所を抑えて3番手のまま1周目のコントロールラインを通過する。すると2周目の最終コーナーで先行する52号車のGR Supra GTをパスして2番手に浮上。8周目になるとGT300クラスのマシンがコースサイドで止ったためにセーフティカーが導入される。

 11周目にリスタートすると河野選手は自己ベストタイムを更新しながら、先行する61号車のSUBARU BRZとの差を周回ごとに詰めていく。18周をすぎると規定されているドライバー交代のために数台のマシンがピットロードにマシンを進める。20周目にはSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTとトップの差がさらにつまりテール・トゥ・ノーズとなる。そして23周目の最終コーナーで河野選手はBRZに並び掛けると、ストレートで抜いてトップに立つ。BRZをパスした河野選手はペースを落とすことなく後続を引き離し、28周目に2番手と10秒のギャップを築きピットに戻った。

 4本のタイヤ交換と給油を行ったSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTには吉本選手が乗り込み、残り30周ほどの後半スティントへ向かった。ピット作業でのロスはなかったもののピットロードで周回遅れのマシンと交錯し、ややタイムを失ってしまう。その影響もあって、すでにピット作業を終えて走行していた52号車に先行を許してしまう。吉本選手は33周目に自己ベストタイムの1分36秒654をマークすると、周回ごとに52号車とのギャップを縮めていく。ピットアウトした時点では5秒以上あったギャップが40周目には3.2秒まで詰まっていて、実質的なトップ争いはSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTと52号車の2台に絞られた。

 44周目には規定のドライバー交代を行うために全車がピットインし、52号車との差は2.9秒で2番手を走行する。続く45周目にはコース上に落下していたパーツを回収するためにFCY(フルコースイエロー)が提示され、全車が80km/hで走行することとなる。すぐにパーツは撤去されレースは再開するが、リスタート後にトップとの差がやや開いてしまう。

 50周目にはトップの差が5秒となる、翌周の最終コーナーで52号車にトラブルが発生し後退する。難なくトップに立った吉本選手は2番手との差が10秒以上あったが、最後までラップタイムを落とすことなく61周目にトップでゴール。2戦目の富士スピードウェイ以来のGR Supra GTでの2勝目を飾った。最終戦でシーズン2勝目を獲得したLMcrosaはシリーズランキングでも3位となり有終の美を飾ることとなった。

2021スーパーGT第8戦富士 吉本大樹/河野駿佑(SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT)
2021スーパーGT第8戦富士 吉本大樹/河野駿佑(SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT)

コメント
飯田章監督

「公式練習と予選の結果からみても調子が良くコンディションと合っていると判断していました。そのためドライバーには思い切って走って欲しいと伝えました。スタートドライバーの河野選手がコース上で2台をパスして後半の吉本選手も完璧に走り切ってくれて、最終戦をシーズン2勝目で締めくくれたことをうれしく思います。チームは本当にプロフェッショナルな仕事ができるようになりましたし、今季から使用するダンロップタイヤやGR Supra GTのパフォーマンスが高かったことでシリーズランキング3位が獲れました。新型コロナウイルス感染症の影響で大変なシーズンとなっていますが、今後もチームとともにモータースポーツの発展に貢献していきたいと思っています」

吉本大樹選手

「今回は公式練習のときからコンディションと合っていて調子が良かったのですが、今日のウォームアップ走行の感触でトップ争いができると思いました。スタートドライバーの河野選手は2台をコース上でオーバーテイクしてトップでバトンを渡してくれました。52号車が脱落しなければ勝てなかったかもしれませんが、それでもすべてがうまく合致した結果の勝利だと思います。今季は新車となったことで勉強のシーズンだと考えていたのですが、シーズン2勝を挙げられたことはうれしいです。その反面で弱点も見えたので、しっかりとオフシーズンに対応していきたいです」

河野駿佑選手

「第2戦と同じく今回もスタートドライバーを担当させてもらいました。レース序盤は後続のGT3に抜かれないことを意識しましたが、それができたこととチャンスがあったので2番手のGR Supra GTをパッシングできました。そして20周を超えてからラップタイムが落ち始めたBRZをパスしてトップに立ちました。同じGT300規定のマシンをオーバーテイクできたことは自信にもなりましたし、年間2勝を挙げられたことも良かったです。今回はマシンとダンロップタイヤ、チーム、ドライバーが最高の仕事をしたからこそ得られた結果だと思います。このような強いパッケージを用意してくれたみなさんに感謝しています」

2021スーパーGT第8戦富士 LMcorsa
2021スーパーGT第8戦富士 LMcorsa


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