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スーパーGT ニュース

投稿日: 2023.09.21 23:45

apr LC500h GT 2023スーパーGT第6戦SUGO レースレポート

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スーパーGT | apr LC500h GT 2023スーパーGT第6戦SUGO レースレポート

2023 AUTOBACS SUPER GT Round6
SUGO GT 300km RACE
Round 6スポーツランドSUGO
apr LC500h GT
9月16日(予選)
天候:曇りコースコンディション:ウエット~ドライ観客数:9400人
9月17日(決勝)天候:曇りコースコンディション:ドライ観客数:1万8500人

公式練習の大クラッシュから徹夜の作業で復活。メカニックの奮闘に応え、決勝は完走果たす!

 2023シーズン、aprは全8戦で競われるスーパーGTにニューマシン、レクサスLC500hを投じてGT300クラスを戦う。

 31号車『apr LC500h GT』をドライブするのは嵯峨宏紀選手と小高一斗選手。また、8戦中5戦で開催予定の450kmレースでは、第3ドライバーとして根本悠生選手が起用される。タイヤはブリヂストンを使用する。

 シリーズ第6戦の舞台は、スポーツランドSUGO。『apr LC500h GT』のロングホイールベース、前後の重量バランスの良さが、アクセルを踏んで回るコーナーの多いコースレイアウトに活かされるはずだ。

 鈴鹿サーキットで行われた第5戦は、Q1突破ならず20番手となったが、決勝のペースは良く、1回目のピットストップを早めに行なったことも功を奏し、6位という結果を得た。

 その結果、サクセスウェイトは42kgとなり、今回は楽なレースは許されないだろうが、まだ戦える重さではある。併せて出場するスーパー耐久で優勝した勢いとも合わせ、高得点が期待される。

公式練習9月16日(土)9:15~10:50

 9月も半ばに入って、しかもここは東北。搬入日の金曜日の午後には雨も降って、肌寒くさえ感じられたほど。土曜日も、公式練習開始時の気温は23度、路面温度は25度で、しかも未明に強く降った雨が、公式練習始まってしばらくは路面に残っていた。

 今回は嵯峨選手から走行開始。しかし、路面は回復傾向にあったため、2周のチェック走行に留め、本格的に走り始めたのは25分ほど経過したところからだった。

 持ち込みのセットもマッチしていたことから、嵯峨選手はさっそくロングをかけて1分19秒324を記すまでに。その時点での7番手につけていた。

 40分ほど経過したところで、小高選手とドライバーチェンジ。走り始めて2周目には1分19秒084をマークして、その時点での5番手に。その後はアウト~インを繰り返し、セットの微調整、タイヤ選定を小高選手は行っていた。

 終盤に赤旗中断があり、公式練習に残されたのは10分間のクラス専有走行だけに。再び嵯峨選手が『apr LC500h GT』に乗り込み、NEWタイヤを履き予選シミュレーションを実施。

 しっかりウォームアップを行った後、1分19秒537、1分19秒345と刻み続け、最後にもう一発となった時だった。SPコーナーの縁石に乗った直後に挙動が乱れ、コントロールを失ったまま左前方から激しくクラッシュ!

 嵯峨選手は無事だったものの、マシンのダメージは大きく、シャシのみならずエンジンにまで及び、予選を走ることはかなわず、修復には夜を徹することとなった。

●嵯峨宏紀選手

「ノーコメントとさせてください。申し訳ない気持ちしかないです」

●小高一斗選手

「持ち込みから悪くなくて、走り出しも嵯峨さんから行ってもらった後、僕が行ってフィーリングも悪くありませんでした。予選の練習をニュータイヤで嵯峨さんにしてもらいましたが、その時にクラッシュしてしまう形になって……」

「ダメージが大きかったので、予選を走れないという、まぁ、しょうがないですけど。明日、決勝に向けて車は悪くありませんが、抜きづらいサーキットでもあるし、短いレースなので、どこまで追い上げられるか分かりませんが、頑張ります」

●金曽裕人監督

「間違いなくフロントローとか、ブリヂストン勢の最上位につける自信があったと、小高は言っています。チームは誰も来てない早朝からピット練習したりと、士気も上がっていただけに、こういう結果は残念でならない」

「直すからには僕もメカニックとして最後まで付き合い、徹底的に皆で直します。最後尾から這い上がっていくので、絶対に諦めない!」

2023スーパーGT第6戦SUGO apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗)
2023スーパーGT第6戦SUGO apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗)

●決勝レース(84周) 9月17日(日)13:30~

 夜通しの作業によって、決勝レース前のウォームアップには、カッティングシートの一部を残すだけの状態に『apr LC500h GT』は、しっかり仕立て直されていた。

 そのウォームアップは嵯峨選手が走行。計測は1周のみだったが、1分26秒161を記録しており、大きな問題はなさそうだ。

 スタートも嵯峨選手が担当。決勝レース直前の気温は28度、路面温度は33度となっていた。24番手スタートからオープニングラップのうちに1台をかわし、その後も1台ずつ確実に抜いていって、6周目には20番手に。

 そこから先は水を開けられる格好とはなってしまうが、着実に周回はこなされていった。

 そしてミニマム周回数となる24周目には、早くも小高選手にスイッチ。これでいったん最後尾となるも、ドライバー交代を遅れて行うチームが現れるたび、そして小高選手もオーバーテイクを重ねて19番手にまで順位を戻したところで、35周目にセーフティカー(SC)が導入される。

 ストレートでクラッシュが発生、GT500車両がスタンド側のガードレールに激しく激突して止まったからだ。そして、即座に赤旗に切り替えられてレースは中断。間もなくドライバーに意識があることがアナウンスされる。

 ダメージを負ったガードレールの修復もあって、約1時間の中断の後、レースは再開。3周のSC先導を経て、ようやくバトル再開となる。しかし、セーフティカー(SC)が出た時点のGT300トップ車両はピットに入っておらず、その後方4台目でSCが出たため、この時点で上位とは1周差が付きゲームオーバーは免れず。

 小高選手は、ブリヂストンタイヤのロングライフにも支えられ、ペースの鈍った車両が現れるたび、順位を上げ続けて71周目には12番手にまで浮上。しかし、そこから先はセーフティカー(SC)で損をしなかったマシンであり小高選手でも、さすがに遠かった。

『apr LC500h GT』は12位でチェッカーを受け、さらに再車検でトップに車両違反があって失格に。繰り上がって11位という結果を残すこととなった。

 シリーズ第7戦の舞台はオートポリス。10月14日に予選が、そして15日に決勝レースが行われる。サクセスウェイトが半減する1戦に、21kgを積んで臨む『apr LC500h GT』の本領発揮を期待したい。

●嵯峨宏紀選手

「昨日のクラッシュで予選を走れなかった結果、最後列スタートになりましたが、走り出してから1周1台ぐらいずつ上げていけましたが、5号車を抜くのに時間がかかり、そこで前と差が開いた状態になって、あとは差が詰まらず追いつききれなかったです」

「いずれにしてもクラッシュせず予選が普通にできていれば、もっと違った結果になっていたでしょうし、そういう意味では責任を痛感しています。何より走れるまでに直してくれたチーム、メカニックの皆さんに感謝しています」

●小高一斗選手

「とりあえず完走はできたので、良かったのかなと思っています。SCのタイミングが悪かったのは、しょうがないですね。僕ら、まだ軽かったので、今回がラストチャンスだと思っていたし、次からウェイトがみんな軽くなるので、どうなるか分かりませんが、諦めずに頑張ります」

●金曽裕人監督

「感無量も何も、何もありません。実際のパフォーマンスは見てのとおりですが、まさかサーキットに来て車作るなんて、本当に作るレベルでした、昨日は。底力というか、コンストラクターとしての実力は、我ながらaprはすごいなと思いました」

「でも、レースを回すというところでは、まだまだで、全体のパケージが、できていませんでした。関係各所から色々とご指摘を受けてますし、真摯に受け止めて、もっといい車を作れる会社、もっとレースで速く走らせられる会社というのにしないと、やっぱり競技の世界、常にレーシングですから。次のオートポリスにLC500hに合っていると思いますので、是非とも最高順位を獲りたいです」

2023スーパーGT第6戦SUGO apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗)
2023スーパーGT第6戦SUGO apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗)


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